高圧受電設備とは?導入基準・メリットデメリットから機器構成までわかりやすく解説


高圧受電設備とは

高圧受電設備とは、電力会社から供給される
6,600Vの高圧電力を受電し、建物内で安全に使用できるように
変圧・配電・保護を行うための設備です。

主に以下の役割を担います。

  • 電力会社との責任分界点の明確化
  • 高圧電路の開閉・遮断
  • 漏電・短絡・過電流などの事故保護
  • 受電電力の変圧・配電

工場・ビル・病院・商業施設など、
一定規模以上の建物ではほぼ必須の設備です。


🔹 導入基準:契約電力50kWが目安

一般的に、契約電力が50kWを超えると、電力会社から高圧(6,600V)で電気を受ける「高圧受電設備」の設置が必要になります。一時的に50kWを超える程度であれば電力会社との協議によって扱いが変わることもあり、継続的な使用状況をもとに判断されます。

🔹 高圧受電のメリット:電力単価が安い

最大のメリットは電力単価の安さです。

契約形態電力単価(目安)
高圧受電約19円/kWh
低圧契約約24円/kWh

使用電力量が多いほど、高圧受電の方がトータルの電気料金を抑えられます。

🔹 デメリット:所有の責任と点検義務

① 設備を所有し、事故の責任を負う
高圧受電では専用設備の設置と所有が必要です。受電点(責任分界点)から先は自社の責任範囲となり、自社設備のトラブルで波及事故(地域停電)を起こすと、損害賠償の責任を問われる可能性があります。この防波堤となるのがPASです。→ PAS(柱上気中負荷開閉器)とSOG機能

② トランス・キュービクルが必要
高圧で受けた電気を100V/200Vに変換するにはトランス(変圧器)が必要で、これらの機器を一体化してコンパクトに収めたものがキュービクル式高圧受電設備です。キュービクル式にするか開放型にするかの選び方は別記事で詳しく解説しています。→ キュービクル式と開放型受電設備の違いと選定基準

③ 点検義務と電気主任技術者
高圧受電設備は法令により定期点検が義務づけられており、電気主任技術者の選任が必要です。多くの事業者は電気保安法人などへの外部委託で対応しており、その場合は点検費用が定期的に発生します。→ 初心者のための電気資格ロードマップ

電力会社からの受電(6,600V)

電力会社の配電線から
6,600V(三相3線式)で電力を受電します。

この受電点には、次の機器が設置されるのが一般的です。

● 柱上気中負荷開閉器(PAS)

  • 電力会社設備と需要家設備の責任分界点
  • 高圧回路の開閉が可能
  • 高圧側の地絡検出 過電流検出(SOGと連動)

ここまでが電力会社側
ここから先が需要家側

という重要な境界になります。

  • 🔗 PAS(柱上気中負荷開閉器)とSOG機能の役割とは?

  • 高圧引込ケーブル

    柱上のPASから需要家の受電設備(CUB)までは、
    高圧ケーブル(CV・CVTなど)で引き込みます。

    • 架空引込・地中埋設など施工方法は様々
    • 絶縁性能・許容電流・曲げ半径が重要
    • 劣化や施工不良は重大事故につながる

  • 🔗 高圧ケーブルの種類と選定ポイント
  • 🔗 高圧ケーブル配線の施工注意点|低圧との違いと屋上施工の落とし穴
  • 受電設備

    高圧ケーブルは、建物内または屋外に設置された
    受電設備に接続されます。

    ここからが
    需要家側高圧設備の中心となります。

    受電設備にはキュービクル型と開放型にわかれますが構成の違いは少ない

    • 断路器
    • 開閉器
    • 遮断器
    • 変圧器
    • 保護継電器

    などが集約されています。

  • 🔗 キュービクル式と開放型受電設備の違いと選定基準
  • 主開閉器 各機器の役割とは?

    • 断路器(DS:Disconnecting Switch)
      主に点検時などに電路を完全に切り離すために使われます。開放状態が目視で確認できるのが特徴です。負荷電流や異常電流が流れている状態では操作できません。
  • 🔗 高圧設備における解列機器の役割と安全操作について(断路器)
    • 開閉器(LBS:Load Break Switch)
      通常の負荷電流を開閉できるスイッチです。断路器に比べて多少の電流は遮断できますが、事故電流の遮断はできません。
  • 🔗 高圧電気設備の保守に欠かせない「開閉器(LBS)」
    • 遮断器(VCS:Vacuum Circuit Switch
      短絡電流(事故電流)などの異常電流を遮断できる装置です。電力系統の保護において最も重要な機器の一つです。
  • 🔗 VCBの引き外し方式
    • 真空開閉器(CB:Circuit Breaker)
      負荷電流などの安全に開閉できる装置です。高圧機器の開閉や運転において最も重要な機器の一つです。
  • 🔗 真空開閉器の仕組みをわかりやすく解説
  • 🔗 自動力率調整器の仕組みをわかりやすく解説
  • 保護継電器

    保護継電器は電流や電圧の異常を感知して接点を変化させる機能があります。            単体では使用せず、遮断器や開閉器、ブザーを組み合わせて使用します。

    主な継電器は以下

    過電流継電器

  • 🔗 高圧受電設備における過電流継電器(OCR)の仕組みとCT選定のポイントの引はずし
  • 地絡継電器

  • 🔗 地絡継電器(GR)と地絡方向継電器(DGR)の違いと使い分けをわかりやすく解説
  • 不足電圧継電器

    UVR(不足電圧継電器)とは?役割・仕組み・使い方を実務目線でわかりやすく解説

  • 🔗 UVR(不足電圧継電器)とは?役割・仕組み・使い方を実務目線でわかりやすく解説
  • 地絡過電圧継電器

    太陽光発電や発電機に必要な「OVGR(地絡過電圧継電器)」とは?

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  • 逆起電力継電器

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  • 高圧機器の分岐(二次側設備)

    主開閉器の下流には、
    用途ごとに高圧設備が分岐されます。

    主な接続機器は以下の通りです。

     ・変圧器


    🔗 変圧器とは?仕組み役割を解説

    • 高圧コンデンサ(力率改善)
    • 他のCUBや高圧負荷への給電盤
    • 避雷器

    それぞれの回路で
    遮断・保護・点検ができる構成になっています。

    まとめ|高圧受電設備は「守るための設備」

    高圧受電設備は、単に電気を受ける装置ではありません。

    • 電力会社との責任分界点を明確にし
    • 高圧事故から人と設備を守り
    • 建物へ安定して電力を供給する

    ための
    総合的な保護システムです。

  • 🔗 高圧受電設備とは?導入基準やメリット・デメリットをわかりやすく解説 
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