高圧受電設備に使用されるケーブルにはさまざまな種類がありますが、現在主流となっているのが CVTケーブル です。本記事では、CVTケーブルが選ばれる理由や注意すべきポイントについて解説します。
高圧ケーブルの種類とCVTケーブルの特徴
高圧ケーブルには主に以下のような種類があります。
- CV-3Cケーブル:三芯ケーブルで、一本のケーブル内に3本の導体を内包しています。
- CVTケーブル:単芯のケーブルが3本独立して構成されます。
CVTケーブルが使われる理由
CVTケーブルは、以下のような特長から現在広く使用されています。
- 放熱性が高い:各電線が独立しているため、熱がこもりにくく許容電流が大きい。
- 軽量かつ取り回しが良い:柔軟性があり、敷設作業が比較的容易。
- 端末処理が簡単:単芯構造のため、端末の処理がシンプル。
注意すべきポイント:消火設備と耐火ケーブル
受電設備によっては、消火設備が設置されている場合があります。その際に注意したいのがケーブルの耐火性能です。
- 消防法に明確な規定はないものの、**FPTケーブル(耐火ケーブル)**が必要とされるケースがあります。
- 所轄の消防署(予防課など)や既設ケーブルを確認し、適切な種類を選定しましょう。
電圧の違いと確認の重要性
高圧受電設備で使用される電圧は、一般的には6600Vですが、一部の施設では3300Vが使用されている場合もあります。
- 工事や設計に入る前に、電圧の確認は必須です。
太さ確認の重要性
ケーブルの太さを検討する上で許容電流だけでなく、短絡電流も考慮する必要があります。
- 変電所が近いと短絡電流は大きくなります。短絡容量計算書は電力会社に問合せが必要です。遮断時間が0.2sの場合11.3kAを超えると38mm2では許容できなくなります。
盤内で使用されるKIP絶縁電線について
受電盤内では、ケーブルではなく**KIP絶縁電線(ゴム絶縁)**が使われることがあります。
KIP電線の特徴と離隔距離の規定
- ケーブルと異なり、電線間に離隔距離が必要です。
- 相互間:8cm以上
- 電線と筐体間:5cm以上
屋外用の電線:PDC電線の特長
屋外配線に使用されるPDC電線は、絶縁に架橋ポリエチレンが使用されています。
- 外装が非常に硬く、耐候性が高いのが特長です。
- 施工の際は、取り回しや被覆処理に注意が必要です。
まとめ
CVTケーブルは、放熱性や取り扱いのしやすさから高圧受電設備で広く使用されていますが、設置環境によっては耐火性や電圧仕様の確認が重要です。現場ごとの要件を正しく把握し、適切なケーブルを選定しましょう。
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