電気工事の工事種別ガイド(総合概要)
電気工事には、建物の構造・配線場所・湿気・屋内外の条件に合わせて多くの工事方式が存在します。この記事では、代表的な工事種別と、それぞれがどんな場所で使われるのかをわかりやすくまとめます。
工事種別とは?
電線を「どこに」「どのように」通すかによって工事方式が決まり、安全性・耐久性・保守性・景観などに大きく関わります。
- がいし引き工事
- 線ぴ工事・ダクト工事
- 金属管工事
- 合成樹脂管工時
- ケーブル工事
- ケーブルラック工事
- バスダクト工事
がいし引き工事(がいしびき工事)
碍子(白い陶器の支持具)を使って電線を壁に固定する昔ながらの工法。
特徴
- 電線の相互間と建物等との離隔が重要
- 電線がつかえる露出工事
- 屋外でも使える
- 古民家・倉庫・引込部で多い
適する場所
- 屋外・屋内
- 点検できない場所はNG
線ぴ工事・ダクト工事
電線やケーブルを金属のカバーで保護する施工方法
特徴
- 加工が少なく低コスト
- 名前の違いは幅の長さ メタルモール レースウェイ ダクト
適する場所
- 屋内
金属管工事(E管・C管・G管)
電線を金属製の管に通して保護する工事。
特徴
- 衝撃や熱に強い
- 水や湿気に強い
- G管は防爆でも使える
- 工場・ビルで広く使用
適する場所
- 屋外・屋内
- 湿気・水気がある場所
- 高温環境
合成樹脂管工事(PF・CD・VE管・FEP)
樹脂製の管に電線を通す工法。住宅では最も一般的。
特徴
- 軽くて曲げやすい
- 熱に弱い
- 使用環境によっては、経年劣化が早い
- CD管はコンクリート埋め込み専用
適する場所
- 屋内・屋外
- 埋設管
- 床下・天井裏
ケーブル工事
ケーブルを直接支持して配線する方法。
特徴
- 一番安価で一般的な工事
- 外装が保護層になり効率的
- ケーブル種別によりは屋外OK
適する場所
- 屋外(耐候ケーブル)
- 屋内
- 露出・隠ぺい両方可
ケーブルラック工事
ケーブルラックを敷設することによりケーブルの支持をする道に配線する工事
特徴
- 複数の電線のルートを簡単に設置できる
- ケーブルラックを余裕を持って設置すると配線の増設が容易
- 工場の分電から各機器への電路として使用される
適する場所
- 屋内・屋外
バスダクト工事
大電流を流す銅バーを金属ダクトに収めた配線方式。
特徴
- 大電流でも安全
- 損失が小さい
- 工場・ビルの幹線用
適する場所
- 大型ビル
- 工場
- 幹線配線


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