電路を保護するブレーカーの種類と選び方

電路は、電気の流れすぎによる 火災・漏電・感電 を防ぐために、適切なブレーカーや漏電遮断器で保護する必要があります。

水気のある場所や屋外機器では、対地電圧150V以下でも漏電遮断器が必須です。

誤動作や安全性を考慮

電気機器  ブレーカー  電線の許容電流


■ サーキットブレーカー(配線用遮断器)

MCB / MCCB(一般には CB・NFB)

役割: 短絡(ショート)や過負荷から電線を守る。

種類

  • 2P1E(100V)
  • 2P2E(200V)
  • 安全ブレーカー(HB)=MCBの一種
  • サーキットプロテクタ(CP)=機器保護用

👉 使用電圧は必ず「カタログ定格以下」。


■ モーターブレーカー(MMCB)

特徴:
モーターの始動電流に対応し、遮断時間を長くしてある。


■ 漏電ブレーカー(ELB / ELCB)

役割: 感電事故・漏電火災の防止。

種類

  • 過電流保護付き(O.C付)→ 主流
  • 漏電保護のみ(O.Cなし)→ 機器組込み

👉 感度電流・動作時間を用途に合わせて選ぶ。


■ 単3中性線欠相保護付ブレーカー

中性線が切れると異常電圧が出て機器が壊れる。
これを防ぐためのブレーカー。

注意

  • 過電圧保護リード線を必ず 2次側N相 に接続
  • L1またはL2の電流が定格以上にならないと動作しない

■ アンペアブレーカー(契約用)

電力会社との契約容量を超えた場合に遮断する。
L1+L2の合計電流で判断する。


■引込開閉器

メーターから引込開閉器又は分電盤の主の開閉器までは8m以内。引込開閉器を設置するれば、それ以降の距離は電圧降下次第。

■ 電子ブレーカー

電子制御で契約電力を抑える方式。
※追加契約になるケースが多く、あまりおすすめされない。


ブレーカー選定時の注意点

● 気温40℃を超えると、ブレーカーは早く落ちる

→ 実質的に 定格の80% が目安

● 漏電ブレーカーは電路のどこかに必ず設置

  • 上流に1つ → コスト安い/停電範囲広い
  • 下流に分散 → コスト高い/安全性高い

● 同じ回路で複数ブレーカーがあるとき

上流ブレーカーのほうを大きくする


■ 内線規程の基準

下流ブレーカー定格が上流の 55%以上 のとき
→ 幹線は 下流ブレーカー容量基準でOK

⚠ 差が大きいときは上流に合わせる。


三相200V動力 — 電流計算式

機器に電流値の記載がない場合はこの式で計算する。

I = kW / (√3 × 電圧 × 力率)

一般的な条件:

  • 電圧:200V
  • 力率:0.9

三相200V ブレーカー計算

簡易で計算するなら容量の4倍はブレーカーの大きさ 5倍の大きさが電線の太さくらいになるが計算をするなら


  • 電流値は「kW ÷(√3 × 電圧 × 力率)」で求める
  • ブレーカーは温度特性を考慮して余裕を持たせる
  • 分電盤側で確実に遮断できる設計がベスト
  • 幹線サイズは「下流容量が上流の55%以上 → 下流に合わせる」

電気設備の安全性と保守性を高めるため、余裕ある設計が重要です。

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