電力量計の接続とは?
電力量計(電力計)を正しく接続することは、安全かつ正確な電力管理のために不可欠です。接続方法を間違えると誤動作や火災の原因になる可能性もあります。
電圧の接続方法:並列接続が基本
- 電圧は並列接続
動力回路(RSTの3本)や電灯回路(L1, N, L2)では、電圧はすべて並列に接続します。 - 直列接続はNG
他の機器と直列に接続すると分圧が発生し、正しい電圧が得られなくなります。 - 高圧回路ではVT(計器用変圧器)が必要
高圧(例:6,600Vや3,300V)では直接接続できないため、VTを介し2次側を110Vに変換します。例:6,600/110V、3,300/110V
極性に注意:逆動作や異常表示の原因に
- 動力回路での極性ミス
逆動作や力率の異常表示を引き起こす恐れがあります。 - 電灯回路での電圧誤差
極性を間違えると異常な電圧表示になります。
電流の接続方法:直列接続が原則
- CT(変流器)の取り扱いに要注意
電流は直列で接続し、CTを通して計測します。他の機器と並列にすると分流が起こり、正確な測定ができません。 - CT2次側は開放禁止!
電流が流れている状態でCTの2次側を開放すると、数百V〜数kVの高電圧が発生する可能性があり、火花や感電、機器焼損の危険があります。 - ヒューズ使用禁止の理由
CT2次側にヒューズを入れると開放状態となり、危険な高電圧が発生します。
CT接続時の向き:K側とL側の区別
- 1次側:K端子 → 負荷方向
- 2次側:L端子 → 電力量計方向
- CT使用時の端子名:Kt(1次側)Lt(2次側)
測定相の選び方
動力回路の場合:
- R相とT相を測定
S相はR相とT相の合算となるため、測定不要です。 - 1相だけ測るのは危険
三相とも同じと思い1相しか測定しないと、他の相の電流が計測されず3本の内1本が0Aで表示されます。
電灯回路の場合:
- L1相とL2相を測定
中性線(N)は基本的に測定不要です。
電力量計の種類による注意点
- 一部の電力量計は表示用に別電源が必要
表示が出ない場合は、仕様書を確認しましょう。
まとめ
電力量計の接続には「電圧は並列、電流は直列」「CT・VTの正しい使い方」「極性・開放禁止」など多数の注意点があります。誤接続は感電や火災、システム誤動作につながるため、必ず正しい知識と確認が必要です。
コメント