リレーとは?A・B・C接点の違いからタイマーリレーまで完全ガイド

リレーは、計装回路(制御回路)で頻繁に使用される重要な部品です。今回は、リレーの基本構造から、回路図の見方、そして実際の使い方や注意点までをわかりやすく解説します。


■ リレーとは?

リレーは「コイル」と「接点(スイッチ)」から構成される電気部品で、電流を流すことで接点が動作し、電気回路のオン・オフを切り替えることができます。

  • コイル:電流が流れると磁力を発生
  • 接点:その磁力で動作し、電気を通したり遮断したりする

この仕組みを利用して、

  • 異なる電圧の回路を制御したり
  • 接点の数を増やしたり
  • 一度動作すると状態を維持する(自己保持)
  • 同時に複数の機器が動作しないようにする(インターロック)

など、さまざまな用途に使われています。

実務でも、この自己保持とインターロックは特に重要だと感じています。たとえば不足電圧継電器(UVR)で系統を切り替えた後、復電すると元の系統からも同時に給電されてしまうことがあり、二重給電を防ぐためにインターロックをかけました。また、継電器の出力がワンショット(一瞬だけ)しか出ない機器では、その一瞬の信号を保持し続けるために自己保持回路を組んで対応したこともあります。受電設備の保護回路を理解するうえで、この2つの考え方は基本といえます。

① 自己保持回路 ワンショット信号 (一瞬だけON) リレー X (コイル) X-a接点 (自己保持) ※ 信号が切れても、X-a接点が自分自身の   コイルをON状態に保持し続ける ② インターロック回路 PB1 X2-b接点 (インターロック) リレー X1 PB2 X1-b接点 (インターロック) リレー X2 ※ X1が動作中はX1-b接点が開き、X2は動作できない(逆も同様)   → 2系統が同時にONにならない
自己保持回路とインターロック回路の考え方(簡易図)

■ 回路図の見方と基本の考え方

回路図に出てくるリレーは、基本的に「電源が入っていない状態」で描かれています。つまり、コイルに電流が流れていないときの接点の状態を示しています。

リレーの動作は、家庭の照明スイッチと同じく、スイッチを入れることでコイルに電気が流れるようにすればOKです。ただし、以下の点には注意が必要です。


■ コイル側の電源について

リレーのコイルには直流(DC)交流(AC)の電源を使用しますが、あらかじめ「電源の種類(AC/DC)」と「電圧(例:DC24V、AC100Vなど)」を決めておく必要があります


■ スイッチや接点の選び方

コイルに電気を流すためのスイッチには、次のようなものが使用できます:

  • 手動スイッチ
  • 他の機械の接点
  • 別のリレーの接点

このとき、以下の点に注意しましょう:

  • 接点が使用する電圧に耐えられること
  • 接続する機器が電圧を出力するかどうか

例えば、ある機器の接点が電圧を出す場合(有電圧接点)、それを電源として使うことができ、別に電源を用意する必要がありません。その場合、リレーのコイル側の電圧と一致させることが必要です。

このように、接点には次の2種類があります:

  • 無電圧接点(ドライ接点):ただのスイッチ。電圧は出さない。
  • 有電圧接点:スイッチ動作時に電圧が出力される。

■ 接点の種類(A接点・B接点・C接点)

リレーの接点には動作の違いによって、以下のような種類があります:

  • A接点(ノーマルオープン):通常は開いており、動作すると閉じる(通電する)
  • B接点(ノーマルクローズ):通常は閉じており、動作すると開く(遮断する)
  • C接点(切り替え接点):A接点とB接点がセットになったタイプ

■ A接点とB接点の使い分け

重要なポイントとして、「断線時の挙動」があります。

  • A接点:断線すると、動作しなくなる(誤動作しない)
  • B接点:断線すると、動作したように見える

そのため、安全が求められる重要な回路では、断線を考慮してB接点が使われることが多いのです。たとえば、安全装置や異常検知回路などです。


■ 実務の注意点:接点容量とサージ対策

リレーを実際の回路で使うときに見落としやすいのが次の2点です。

  • 接点容量(接点定格)を確認する——接点定格を超える負荷を直接入り切りすると接点が溶着・焼損します。大きな負荷は、リレーの接点で電磁接触器(マグネット)を動かし、負荷はマグネットで受けるのが基本です
  • コイルのサージ対策——DCコイルは電源を切った瞬間に高い逆起電力(サージ)が発生し、周辺機器や接点を傷めます。ダイオード内蔵タイプやサージキラーの取り付けで対策します

また、次のような実務上の落とし穴もあります。

  • 接点までの配線が長い場合の見落とし——接点が遠い(配線が長い)とリレーが動作しないことがありますが、テスターの導通(抵抗)ブザーだけでチェックしていると、わずかな抵抗変化には気づきにくく、原因特定に苦労することがあります。動作確認用の表示灯(ランプ)を付けておくと、動作状況が一目でわかり切り分けがしやすくなります
  • チャタリング(ハンチング)対策——動作条件が発生→リレーが動作→原因が解消→また同じ条件が発生→再動作…と短時間で入り切りを繰り返す現象が起きることがあります。この場合はタイマーを組み込んで再動作までの時間を確保するなどの対策が有効です

■ タイマーリレー:時間で接点をコントロールする

通常のリレーは電源が加わると即座に接点が動作しますが、タイマーリレーは「設定された時間」によって接点の動作が遅れたり、保持されたり、繰り返したりします。

使い方は2通りあります。

  • 電源で直接制御する方法——電源を入れる → 時間経過 → 接点動作、という一般的な使い方
  • 常時電源+ワンショット入力で制御する方法——タイマーリレーに常時電源を与え、トリガー信号で時間動作を開始。一瞬の信号で確実に動作し、誤動作リスクが減るため複雑な回路に向きます

4つの動作モード

モード動作内容特徴応用例
A(オンディレー)設定時間後に接点ON起動遅延モーターの遅延起動
D(オフディレー)電源OFF後、設定時間で接点OFF残留動作換気扇の残留運転
B(フリッカ)点滅動作を繰り返す周期制御警告灯
E(インターバル)電源ON時に接点ON → 時間後OFF一定時間出力自動ドア

モードの記号や結線はメーカー・機種によって表記が異なるため、必ず取扱説明書で確認してください。ワンショット入力方式でも、各モードの挙動はそのまま適用されます。

■ 実録:太陽光発電の継電器で接点を「増幅」した話

このテーマを掘り下げたきっかけの一つが、太陽光発電設備での経験です。保護継電器の接点信号を別の機器に渡す際、機器によって必要な電圧や内部の仕組みが異なるため、そのままでは接点信号を渡せず、補助リレーで接点を「増幅」する回路が必要になったことがありました。回路図を書いて実際に組みましたが、社内でこれができる人が少なく、当時は苦労しました。このサイトを見れば同じような回路が組めるようになれば、というのが本記事を書いた発端でもあります。

太陽光:継電器接点の「増幅」イメージ 保護継電器 接点信号(低容量) 補助リレー コイル(例:DC24V) 連動 補助リレー 接点(増幅された信号) 受電側の機器 (必要電圧・仕様が異なる) ※ 継電器の接点信号をそのまま渡せない場合、補助リレーを介して   別電圧・別仕様の接点として渡す(=接点の「増幅」)
保護継電器の接点信号を補助リレーで「増幅」して受け渡すイメージ

■ よくある質問

Q. リレーが動作しない原因を切り分けるコツは?
接点までの配線が長い場合、抵抗値だけでは判断しにくいことがあります。動作確認用の表示灯を付けておくと、動作しているかどうかが一目でわかり、原因の切り分けがしやすくなります。

Q. リレーがオンオフを繰り返してしまう(チャタリング)のはなぜ?
動作条件が発生→リレー動作→原因が解消→再度条件発生、を短時間で繰り返すことで起こります。タイマーを組み込んで再動作までの時間を確保すると安定します。

Q. 自己保持やインターロックは、実際にどんな場面で必要になる?
継電器の出力がワンショットしかない機器では自己保持で信号を保持し、系統切り替えでは復電時の二重給電を防ぐためにインターロックをかける、といった場面で使われます。受電設備の保護回路を理解するうえでの基本です。


まとめ

リレーは、一見シンプルですが非常に奥が深い部品です。計装回路を設計・理解するうえで、リレーの仕組みと使い方をしっかりと押さえておくことが重要です。

以下のポイントを覚えておくと安心です:

  • 回路図は「電源OFF状態」で見る
  • コイルに流す電源の種類と電圧を決める
  • 接点の種類(A/B/C)と用途を理解する
  • 接続する他機器の接点の種類に注意する(無電圧・有電圧)
  • 接点定格を超える負荷は直接入れず、補助リレーや電磁接触器で受ける
  • 時間制御が必要ならタイマーリレー(A・D・B・Eの4モード)

これらを意識しておけば、リレーを使った回路の設計や読み取りが格段にスムーズになるはずです。

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