【変圧器の種類と結線方法】屋内外での使い分けとその仕組みをわかりやすく解説!
こんにちは!今回は、電気設備の中でも重要な「変圧器(トランス)」について、種類や使い方、そして結線方法についてわかりやすく解説していきます。
変圧器の種類:絶縁方式で大きく2タイプ!
変圧器は絶縁方式によって大きく2つに分けられます。
1. 油入変圧器
変圧器の内部を絶縁油で満たしているタイプ。冷却性能が高く、大きな電力を扱う場面に適しています。主に屋外で使用されます。
2. モールド変圧器(乾式)
樹脂で絶縁されたタイプで、油を使わないため安全性が高く、火災リスクが少ないのが特徴。屋内やキュービクル内でよく使われます。ただし、湿気・直射日光・高温には弱いので、設置環境には注意が必要です。
結線方法の違いとそのメリット
変圧器の結線方法も大きく性能に関わります。ここでは代表的な3つの方法をご紹介!
1. スター・デルタ結線(三相変圧器)
単相トランスを3台使って、**スター結線(Y結線)とデルタ結線(Δ結線)**を組み合わせた方式です。
- スター結線の特徴:中性点が0Vになるため、接地が取りやすくなります。
- デルタ結線の特徴:高調波などのノイズを循環電流として閉じ込め、電圧波形の歪みを抑えることができます。
この2つを組み合わせることで、より安定した電力供給が可能になります。
※ポイント:接地電圧を低く保つため、高圧側をスター結線、低圧側をデルタ結線にするのが一般的。逆にすると、デルタ側の一相接地が起こりやすくなり、電流が不均等になるリスクがあります。
2. V結線(二台の単相トランス)
単相トランスを2台使って三相を構成する方法。省スペース&省コストですが、容量は全体の√3分の1程度になるので注意が必要です。
3. スコット結線(スコットトランス)
これは、三相→単相(電灯用途)に変換する際に使われる変圧器。2台のトランスで構成され、電灯回路が2系統に分かれるのが特徴。それぞれの系統で使える容量は全体の1/2になります。
まとめ
変圧器の選定や結線方法は、設置場所や用途に合わせて最適なものを選ぶことが重要です。
- 屋外→ 油入トランス
- 屋内やキュービクル→ 乾式トランス(モールド)
- 大型施設での安定供給→ スター・デルタ結線
- 設置スペースやコストを抑えたい→ V結線
- 電灯用への変換→ スコットトランス
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