ケーブルの曲げ半径とプルボックスの関係【電気施工の基本】

■ 曲げ半径とは?

ケーブルを曲げるときに許される最小の半径のことです。
これを守らないと、絶縁体の割れ・導体の断線・特性インピーダンスの変化などの不具合が起こります。


■ ケーブル別の曲げ半径目安

ケーブルの種類施工時の最小曲げ半径据付後の最小曲げ半径備考
600V IV線約6倍 × 外径約4倍 × 外径例:外径10mm → 施工時60mm
600V CVケーブル約8〜10倍 × 外径約6〜8倍 × 外径JCS168準拠
高圧CVケーブル約15倍 × 外径約12倍 × 外径高圧では特に重要
LAN・光ケーブル約4倍(光は10倍)同等光ファイバは厳守
VCT・キャブタイヤ約6倍 × 外径約4倍 × 外径動く部分はさらに大きく

■ プルボックスの大きさの決まり方

プルボックス(スルーボックス)は、
「ケーブルが無理なく曲がって通線できる」ことを目的にサイズを決めます。

その基準になるのが、ケーブルの曲げ半径とコネクタ位置です。


■ 設計の目安

通線方向ボックス内寸の目安備考
直線方向 90°方向ケーブル外径 × 約8倍 + 余裕引きやすい余裕を確保
ジョイント最小曲げ半径 × 2 + 余裕無理なく曲がる空間が必要
T字・十字方向各方向の曲げ半径を考慮大きい方に合わせる

■ 例:600V CVケーブルの場合

ケーブル外径:20mm
施工時曲げ半径:20mm × 10倍 = 200mm(半径20cm)+ 余裕40 = 240mm

ジョイント →
ボックス内寸は 200mm × 2 = 約400mm以上 に余裕を含めた大きさが目安です。


■ ポイントまとめ

✅ プルボックスの大きさは
 「コネクタの位置」+「ケーブルの曲げ半径」 で決まる。

✅ プルボックスの大きさは
 ジョイントは曲げ半径の2倍以上

✅ 曲げ半径を基準にボックス寸法を調整する。

✅ 無理な曲げは断線や劣化の原因になるため注意。

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