高圧ケーブル配線の施工方法と注意点|低圧との違いを解説
高圧ケーブルの配線は、基本的な施工法においては低圧ケーブルと大きな違いはありません。しかし、高圧ならではの注意点がいくつか存在します。本記事では、特に重要なポイントを整理して解説します。
1. 高圧ケーブルは危険性が高い
高圧ケーブルは電圧が高いため、感電や火災のリスクが増します。高圧であることを表示するとともに人が容易に触れる場所にケーブルが露出している施工は厳禁です。
◎ 保護が必要な場所と方法
人が触れる可能性がある箇所では、以下のような保護を行う必要があります。
- 配管(鉄管、塩ビ管、合成樹脂管など)
- トラフ(ケーブル収容用の溝)
- ケーブルラック(配線を整理するための架台)
鉄管を使用する場合は「A種接地工事」が必要です。ケーブルラックを用いる場合、下側からの接触も防ぐ構造が望ましいです。
2. 離隔距離の基準
高圧ケーブルと他の電路の距離にも注意が必要です。
- 低圧電路とは150mm以上
- 弱電(通信線など)とは300mm以上
◎ 離隔距離の緩和条件
金属管(例:鉄管)にケーブルを通す場合、上記の離隔距離は緩和可能です。
3. 屋上での高圧配線は原則NG
特に注意が必要なのが屋上配線です。電気設備技術基準では、「屋上に敷設する場合は堅牢に保護すること」と明記されています。
そのため、屋上で高圧ケーブルを敷設するには、以下のような制限があります。
◎ 許可される施工方法
- 金属管(鉄管など)
- 耐衝撃性の塩ビ管(※解釈が分かれる可能性あり)
◎ 禁止される施工
- ケーブル工事(ケーブル単体での敷設)
- ケーブルダクト以外の簡易工事
また、屋上に設置する太陽光パネルにおいては、高圧扱い(開放電圧750V以上)は避けるべきです。これはあくまで「屋根上」の施工基準であり、野立て太陽光発電には該当しません。
まとめ
高圧ケーブルの配線は、一見低圧と同じように見えて、実際はさまざまな安全基準に従って慎重に行う必要があります。特に屋上配線は誤解されやすいため、正しい知識をもって計画・施工を行いましょう。
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