RPR(逆起電力継電器)とは?
発電機・太陽光発電設備の逆潮流を防ぐ系統連系保護
RPRの役割
RPR(Reverse Power Relay:逆起電力継電器)は、
発電機や太陽光発電設備からの電力が系統側へ逆流することを検出し、
発電設備を停止させるための保護継電器です。
主に以下の用途で使用されます。
- 非常用発電機の逆電力防止
- 太陽光発電設備の系統連系保護
- 工場・ビル内発電設備の逆潮流防止
RPRの動作原理
RPRは単なる電流検出ではなく、
- 電圧要素
- 電流要素
を取り出し、
電圧と電流の位相関係から電力の向きを判断します。
- 正方向 → 系統から負荷へ
- 逆方向 → 発電機・太陽光から系統へ
この「位相判定」によって逆電力状態を検出します。
① 逆電力整定値の考え方
系統連系保護においては、
発電機単機容量の約10%前後を逆電力整定値とするのが一般的です。
これは、
- 微小な電力変動による誤動作を防ぐ
- 確実に逆潮流を検出する
ための実務的な目安です。
② 逆電力整定値の計算例
条件
- 太陽光容量:200 kW
- 系統電圧:6.6 kV
- CT一次定格電流:100 A
検出する逆電力PR
PR = 発電機容量 × 10%
= 200 × 10³ × 0.1
= 20 × 10³ (W)
RPRの整定式
PR = √3 × V × I × TAP(%)
- V:一次側電圧(6600 V)
- I:CT一次側定格電流(100 A)
TAP(%)の算出
TAP(%)
= PR /(√3 × V × I)× 100
= 20 × 10³ /(√3 × 6600 × 100)× 100
≈ 1.7 %
👉 逆位相で 1.7% を超えないようなTAPにします。
太陽光発電設備での注意点
太陽光発電設備では、
工場の休業日や休日などで負荷が極端に軽くなると、
- 発電電力 > 負荷
- → 系統側へ逆潮流
- → RPR動作
という状況が発生しやすくなります。
繰り返し動作の問題
RPRが動作すると、
- 発電停止
- 逆電力が消える
- 接点復帰
- 再び発電開始
という動作を繰り返すことがあります。
👉 対策をしないとハンチング状態になるため注意が必要です。
実務上の対策方法
以下のような方法がよく用いられます。
- 電力計(マルチメーター)を設置し、追従制御を行う
- 太陽光発電設備の運転台数を制限する
- 系統連系保護の制御ロジックで停止保持を設ける
よくある間違い(重要)
RPRは位相検出型継電器であるため、
結線ミスが非常に多い保護継電器です。
注意点① 電圧要素と電流要素の組み合わせ
- 電圧要素:P1・P2・P3
- 電流要素:R・S・T
👉 どの電圧に対して、どの相電流を取るかを間違えると誤動作します。
注意点② CTの向き
- CTの一次・二次の向きが逆
- → 常時逆電力と誤認識
- → RPRが動作し続ける
※ 電流の向きを変えると常に動作する場合もあります。
注意点③ 位相ズレ(30°問題)
- 電圧相と電流相が一致していない場合
- 30°の位相ズレが生じる
👉
「動いた・動かない」ではなく、
必ずメーカー仕様書を確認し、位相関係を理解することが重要です。
まとめ
- RPRは逆潮流を防ぐ重要な系統連系保護
- 整定値は発電機容量の約10%が一般的
- 太陽光設備では軽負荷時の誤動作に注意
- 位相・CT向き・結線ミスは特に多い


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