対地電圧と線間電圧の違いとは?正しい測定と確認方法を解説
電気設備の点検やトラブル対応において、「対地電圧」と「線間電圧」の違いを正しく理解しておくことは非常に重要です。今回は、それぞれの意味や測定のポイント、よくある配線方式ごとの電圧の組み合わせについて解説します。
■ 対地電圧と線間電圧の違い
- 線間電圧:2本の電線の間で測定する電圧のことです。例えば、黒線と赤線の間で測定する場合などが該当します。
- 対地電圧:電線と「地面(アース)」との間で測定する電圧です。接地線(アース)が正常に機能しているかを確認するために重要です。
■ 100V配線での測定例
一般家庭などで使われる100Vの単相2線式配線を例にすると:
- 黒線とアース(接地)間:100V
- 白線とアース間:0V(接地線と同電位)
このように、黒線とアースの間で100Vを確認できる場合、接地線が正常に機能していると判断できます。逆に言えば、接地が不完全な場合は、絶縁測定をしても「無限大(良好)」と表示されてしまい、異常を見逃す可能性があるため、対地電圧の確認は非常に重要です。
■ 配線方式ごとの対地電圧の組み合わせ
配線方式 | 対地電圧の目安(各相) |
---|---|
単相2線式(100V) | 黒:100V、白:0V |
単相3線式(200V) | 黒:100V、白:0V、赤:100V |
三相3線式(200V・デルタ結線) | 赤:200V、白:0V、青:200V |
三相3線式(200V・スター結線) | 赤:116V、白:116V、青:116V |
三相3線式(400V・デルタ結線) | ※対地電圧は不定(接地不可) |
三相3線式(400V・スター結線) | 赤:230V、黒:230V、青:230V |
※400V級のデルタ結線では、直接接地が推奨されておらず、対地電圧が不安定(不定)となるため、接地は基本的に行いません。
■ まとめ
電圧測定を行う際は、「どの線とどの線の間で測るのか」「接地は正常か」を意識することが重要です。特に対地電圧の確認は、安全性の確保やトラブルの早期発見に直結します。現場での点検時は、配線方式をしっかり把握し、適切な測定を心がけましょう。
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