高圧設備における解列機器の役割と安全操作について(断路器)

高圧

高圧電気設備の保守や点検作業では、回路の「解列」(電気的に切り離すこと)が非常に重要です。この解列を行うための装置として、「断路器(DS)」「開閉器(LBS)」「遮断器(VCB)」などがありますが、それぞれの役割と使用方法には明確な違いがあります。

断路器(DS)の役割と注意点

断路器(Disconnecting Switch, DS)は、主に点検や修理のために回路を確実に解列することを目的に使用します。しかし、断路器にはいくつか重要な制限があります。

  • 負荷電流や異常電流が流れている状態では操作できない
  • 一相ずつしか開閉できず、アーク放電が発生する
  • 感電や火災の危険性が高いため、ディスコン棒を使っても電流が流れている状態で操作してはいけない

このため、DSを操作する際は必ず、上位機器(例えばPAS(高圧気中開閉器)やUGS(地中開閉器))を先に開放し、検電確認を行ったうえで、ディスコン棒を使って安全に操作する必要があります。

また、DS操作後は、受電側に「短絡具(アースフック)」を取り付けて安全を確保してから作業を行います。
投入時にも注意が必要で、中途半端な操作をすると解列してアーク放電が発生するリスクがあるため、確実に一気に操作することが求められます。

断路器の設置場所

通常、VCB(真空遮断器)の一次側には保守作業を安全に行うためにDSを取り付けます。一方、LBS(負荷開閉器)はDSの機能も兼ねているため、LBSの一次側には別途DSを設置しないのが一般的です。

断路器の更新時期

断路器は構造がシンプルで故障が少ない装置ですが、長年使用すると動作不良や接触不良が起きるリスクがあります。そのため、更新時期の目安は20〜25年程度とされています。定期点検の際には、操作状態や接点部の摩耗などをしっかり確認しておくことが重要です。


安全な高圧設備作業には、機器の役割と正しい操作手順を理解することが不可欠です。特に断路器の取り扱いには十分な注意を払い、作業員全員で安全意識を徹底しましょう!

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