突然、電気が使えなくなり分電盤を確認してみると「漏電ブレーカーが落ちていた!」という経験はありませんか?
そんな時に慌てず、安全に対応するための手順を、わかりやすく解説します。
1. 作動原因の見極め(漏電 or 過電流)
まず最初に確認したいのは、「なぜブレーカーが落ちたのか?」という点です。
漏電ブレーカーには 漏電表示ボタン が付いていることが多く、それが飛び出している場合は 漏電、飛び出していない場合は 過電流 の可能性が高いです。
ただし、漏電と過電流の両方が原因になっていることもあるので、思い込みをせず慎重に判断しましょう。
2. 安全装備を整える
ブレーカーや分電盤の点検・操作を行う前に、絶縁手袋などの保護具を着用してください。
特に漏電の可能性がある場合は感電リスクがあるため、安全対策が最優先です。
3. ブレーカーの状態を確認する
動作した漏電ブレーカーは、ONでもOFFでもない中途半端な位置にあり、グラグラしていることが多いです。
見た目だけでは分かりにくいので、必ず手でブレーカーの状態を確認しましょう。
4. 子ブレーカーをすべてOFFにする
漏電ブレーカーが作動したことを確認できたら、次にその系統の子ブレーカーをすべてOFFにします。
ここで重要なポイント:
- 本来ONのはずのブレーカーがすでにOFFになっていた場合は、その回路が原因の可能性大です。
5. 絶縁抵抗の確認(漏電確認)
漏電が疑われる場合は、絶縁抵抗計を使って漏電の有無を確認します。
低圧回路では、以下の基準値を目安にしてください:
- 150V以下:0.1MΩ以上
- 300V以下:0.2MΩ以上
- それ以上:0.4MΩ以上
この基準を満たしていれば、漏電ブレーカーを再投入する準備ができます。
6. 漏電ブレーカーを再投入する
漏電ブレーカーは構造上、一度完全にOFFにしてからでないとONにできません。
「OFF → ON」の順で、しっかり操作しましょう。
7. 子ブレーカーを順番にONにする
漏電ブレーカーをONにした後、子ブレーカーを1つずつ順番にONにしていきます。
このとき、漏電ブレーカーが再び作動したら、その直前にONにしたブレーカーが原因の回路です。
8. 家電・照明も要チェック
すべての子ブレーカーをONにしても漏電ブレーカーが落ちない場合は、ひとまず問題は解決したように見えます。
しかしその後、
- 照明を点けたとき
- コンセントに家電をつないだとき
などに漏電ブレーカーが再び動作することがあります。
このような場合は、照明器具や電化製品自体に漏電の可能性があるため、それぞれを個別に点検しましょう。
まとめ
漏電ブレーカーが作動したときの対応は、次の8ステップです:
- 漏電か過電流かを確認
- 保護具を着用
- ブレーカーの状態を確認
- 子ブレーカーをすべてOFF
- 絶縁抵抗の測定
- 漏電ブレーカーを再投入
- 子ブレーカーを順にON
- 照明・電化製品の確認
これらの手順を踏むことで、安全かつ確実に原因を特定し、トラブルの再発を防止することができます。
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