電気配管を地中に埋設する場合、「どのくらいの深さで埋めるのか」「他の配管との離隔をどの程度確保するのか」は、安全面・管理面で非常に重要です。ここでは、敷地内外での埋設基準、FEP管を使用するかどうかによる違いなどを整理します。
1. 配管相互の離隔距離
- 高圧配管と低圧配管:15cm
- 高圧・低圧配管と弱電配管:30cm
2. 土被りの定義
「土被り」とは、配管上端から舗装(アスファルト)の下部までの深さを指します。
舗装がない場合は、地表から配管上端までの寸法となります。
3. 敷地外における埋設深さ
道路や公共施設内は、管理者の規定に従う必要があります。
国の基準と自治体の基準には差があるため注意が必要です。
場所 | 一般的な基準 | 国の基準 | 備考 |
---|---|---|---|
自動車が通る場所 | 1.2m | 0.8m | 道路管理者に確認必須 |
通らない場所 | 0.6m | 0.6m | 共通 |
4. 敷地内における埋設深さ
敷地内では、FEP(波付硬質ポリエチレン管)を使用するかどうかで基準が変わります。
場所 | FEP未使用 | FEP使用 |
---|---|---|
自動車が通る場所 | 0.6m | 0.3m |
通らない場所 | 0.3m | 0.3m |
5. 埋設表示テープ
掘削時に誤って配管を損傷しないよう、配管上端から0.15〜0.5mの深さに埋設表示テープを敷設します。
(地域により基準が異なる場合があります)
6. 掘削と埋め戻しのポイント
- 配管周囲10cmは、石を除去し砂や良質土で保護する
- 底盤は転圧しないと配管がうねり、通線が困難になる
- 埋め戻しは数十cmごとに転圧を行う
- 一度に埋め戻すと沈下し、後に舗装(アスファルト)が凹む原因になる
まとめ
- 埋設配管の深さ=土被りで管理する
- 敷地外は国の基準と道路管理者の基準が異なるため必ず確認
- 敷地内はFEP管の有無で深さが変わる
- 掘削・埋め戻しの施工精度が配管の品質・維持管理に直結する
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