接地線の太さを決めるとき、表を覚えていれば一瞬で判断できる場面もありますが、実際は中間的な電流値だったり、種別によって最低値があったりと、迷うことが多いものです。
そこで今回は、**簡単に接地線の太さを求められる「すごい計算式」**と、種別による最低太さの注意点をまとめました。
🔢 接地線の太さを求める基本の計算式
接地線の最小断面積(mm²) = 電流値 × 0.052
この計算式を使えば、電流値からおおよその最小接地線の太さがすぐに求められます。
🧠 どうして 0.052 をかけるの?
これは、定格電流の20倍の電流が0.1秒流れたときに、接地線が熱で溶けないようにするための熱計算に基づいています。
- 0.1秒:遮断器の動作時間(急速遮断)
- 20倍:短絡時に想定される最大電流(例:20Aのブレーカなら400A)
- この条件で、接地線が焼損しない断面積 → 0.052 × 電流
⚠️ 注意:計算結果がすべてではない!
計算で出た数値が小さくても、接地種別ごとに決められた最低太さを下回ってはいけません。以下を参考にしてください:
📌 種別ごとの最小接地線の太さ
接地種別 | 最小太さの基準 |
---|---|
A種接地 | 5.5mm²以上(銅) |
B種接地 | 150 ÷ Ig(Ig=電力会社が定める短絡電流) |
C種接地 | 2.0mm²以上(銅) |
D種接地 | 2.0mm²以上(銅) |
🔍 B種接地のIgは、短絡電流に基づくため電力会社に確認が必要です。
🔌 どの電流を基準にすればいいの?
対象設備 | 基準にする電流値 |
---|---|
設備 | 定格電流(カタログ値など) |
ブレーカ | 遮断電流(遮断器に印字あり) |
分電盤 | 主遮断器の定格電流(主がない場合は、構成機器中最大の定格電流) |
💡「同時に全部漏電する」は非現実的な想定なので、最悪のケースで考えすぎないことが重要です。
✅ 計算フォーム
電流(A)に 0.052 をかけて面積(cm²)を計算
📝 まとめ
- 0.052をかけるだけで接地線の太さがわかる!
- ただし「種別による最小値」を下回らないように注意
- 現場や設計条件によって電流値の基準を変える
- 特にB種は電力会社に短絡電流(Ig)を確認すること
この計算方法と考え方を覚えておけば、現場で迷う時間を大きく減らすことができます。記事をブックマークして、必要なときにぜひ活用してください!
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