屋内・屋外問わず、照明器具の選定では「防湿型」「雨線内」「雨線外」など、設置環境に応じた種類があります。実はこれらの違いを誤解して選んでしまうことで、思わぬ漏電や故障の原因になってしまうことも…。
今回は、照明器具の選定で間違えやすいポイントと正しい選び方、さらに塩害地域での注意点についてわかりやすく解説します。
防湿型=屋外対応ではない!?
「防湿型」と書かれていると、湿気に強くてなんとなく屋外でも使えそう…そんな誤解をしてしまいがちですが、これは要注意。
防湿型の照明器具は湿度の高い場所(例:お風呂場や洗面所など)で使用するために設計されたもので、基本的には屋内用です。屋外では雨風にさらされる環境に対応していない製品が多いため、防湿型という表記だけでは屋外には使えない可能性が高いのです。
「雨線内」「雨線外」ってなに?
屋外用照明を選ぶ際には、「雨線内」か「雨線外」かの判断がとても重要です。
- 雨線内取り付け可:
屋外ではあるけれど、屋根の下など直接雨がかからない場所に設置するための器具。
→ 軒下・ベランダなどに適しています。 - 雨線外使用可:
雨風に直接さらされる場所でも使用可能な器具。
→ 駐車場・玄関まわり・庭など、屋根がない屋外に適しています。
間違って「雨線内可」の器具を直接雨がかかる場所に設置してしまうと、雨水が器具内部に侵入して漏電・故障の原因になることもあります。必ず使用場所に応じたタイプを選びましょう。
防湿型と雨線外の両立はできる?
ここでもう一つ注意が必要なのは、「雨線外使用可」でも防湿性がない製品はあるという点です。たとえば、雨が当たる屋外でかつ湿度も高い(例:露天風呂など)のような環境では、**「雨線外+防湿型」**の両方を満たす器具が必要です。
使用場所の環境をしっかり確認して、「雨の有無」+「湿度の高さ」両方の要素を考慮するようにしましょう。
海沿いはさらに注意!塩害への対策を
屋外照明器具のもう一つの盲点が「塩害」です。海岸からの距離によって、金属部品が腐食しやすくなるため、器具の材質にも注意が必要です。
- 重塩害地域(海岸から200m〜500m以内)
→ 重耐塩型、ステンレス製の照明器具を選ぶことが推奨されます。 - 塩害地域(200m〜2km以内)
→ 標準仕様でも可ですが、やはり耐塩性を意識した器具選定が安心です。
塩害を甘く見ていると、設置後すぐに錆びたり、腐食して光漏れや絶縁不良が起きる可能性もあるので、要注意です。
まとめ:場所に合った照明器具を正しく選ぼう!
照明器具の選定は、単に明るさやデザインだけで決めるのではなく、**使用環境に応じた「性能」と「保護レベル」**をしっかり確認することがとても大切です。
使用場所 | 選ぶべき器具タイプ |
---|---|
お風呂場・洗面所など屋内の湿気が多い場所 | 防湿型 |
屋外の屋根下・軒下 | 雨線内取り付け可 |
雨ざらしになる屋外 | 雨線外使用可 |
海岸近くの屋外 | 重耐塩型 or ステンレス製 |
露天風呂など湿気+雨ざらし | 雨線外+防湿型の両方対応品 |
少しの知識が、安全で長持ちする照明環境づくりに大きく貢献します。設置場所に合った器具選定で、快適かつ安全な空間を手に入れましょう!
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